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送信日時: Fri, 23 Feb 2001 11:33:15 +0900 (JST)

 今の世の中で、「非対立」というのは、不可能です。なぜなら、私達すべてが、現在は二元対立社会の中に存在しているからです。たとえ、水面下に非対立の設計図が完成しているとしても、現象的にはまだ現れてはいません。そのような状況で「自分達は非対立である」と言うことは、ただ、「非対立のふり」をしているだけであり、つまり自分に嘘をついているだけ、ということになります。そのような自己矛盾を抱えたまま、何をやってもうまく行くはずはありません。
 では、どうしたら、水面下の設計図を表面に浮き上がらせる事ができるのでしょうか。
 その方法はただひとつ、対立の極と極が出会うこと、それだけです。それによって、大きな火花が生まれ、次元の大転換を引き起こします。それは一瞬の出来事であり、段階的な変化ではありません。たとえ水面下では、段階的な準備期間があったとしても。
 本当に愛にあふれた存在になるために必要なのは、「自分はもっと愛にあふれた存在なんだ!」と言い聞かせて、自己暗示をかけることではありません。それではかえって自分の残虐さを奥深くに押し込めてしまいます。残虐な自分から真に解放されるためには、むしろその残虐さを表にさらさなけれなりません。自分の影に日の光をあてなければなりません。それは激しい痛みをともないます。けれども、それほどの勇気がある者をどうして光が見捨てるでしょうか。日の光は必ずその傷を癒してあまりある幸せを浴びせてくれるはずです。
 この世の二元対立の次元を超越した人など、まだ誰も存在しません。もし、たったひとりでも、そのような人が誕生したら、この世の次元もつられてすべて変わってしまうはずです。部分は全体の相似形なのです。たったひとつの細胞にからだ全体の設計図が含まれているように。この世がこのようなありさまであること自体が、まだ、誰も超越していない証拠です。だから、自分は超越していると思うこと自体、その人が間違っている証拠です。自分は事実を知っている、と言うこと自体、その人が何もわかっていない証拠です。だから、あなたが、客観的な事実を伝える事ができる、と思うこと自体が、あなたが何も知らない証拠だ、ということに気付いてください。

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